これは、「イサクの物語」関連のテーマのための『創世記』のメモである。 「イサクの物語」のテーマは、(今のところ)一言で言うと「世代をまたぐ暴力」というもので、さらにはおおよそ次のものに関連する。 ・「見る」ことの意味 ・「暴力の波紋」の連鎖 ・親と子の関係性 「Seeing is...
(1) 水の女[1]について、何かをまとめることなどできるのだろうか? 折口信夫の論文「水の女」は、1927年にはじめて世に現れた。折口の文章全般にいえることだが、ほかの彼の文章にもまして、具現化の力というべきか、想像力というべきかが強いのではないかとおもう。...
愛される人間が、愛する人間の目に映る時には神となる...
雨が銀の矢のように降り注ぎ 夏の山と森を黒々と沈める 雨に打たれて歩く自分は 息さえもできない こんな自分をも森と雨と共に観るならば 一枚の絵になるのだろう 草枕より After early summer night.
哲学者のジャック・デリダは、ある夜夢をみる。 夢の中で年老いた盲者が、自分にのしかかって攻撃してくる。 「無防備な私、私の息子たちに危機が迫る」(ジャック・デリダ『盲者の記憶』p.21)。 ...
…にも関わらず人物を描けるのは、 人物を建物のように肯定しているからだ。 建物はなぜ肯定されるかというと 自然だからだ。 自然、建物、人間の順番に自然が入ってくる。 母への不安がかすかに感じられるが、 それでも斜を見上げる人物を、 色彩豊かに描けるのは、 自然からの肯定だ。 (ルート・ブリュック、前期作品について)